大学が始まってしばらくは朝9時からの講義に出席し、夕方5時まで四つか五つの講義を受けて、それからクラスメートと遊んで、自分のアパートに帰るという生活を続けていた。三か月ほどそんな生活を続けていたのだが、次第にそんな生活に飽いてきた。当たり前のことだが、毎日のように同じ人間と顔を合わせて話をしていると、話すこともなくなってくる。つるんでいたクラスメートも同じように感じたのか、みなクラブやサークルに入ったり、アルバイトを始めたりして、講義が終わって、つるむ人間も次第に減っていった。私も講義が終わるとすぐに自分のアパートに帰る日が増えてきた。アパートに帰れば帰ったで、勉強するわけでもなく、ただテレビを見たり、好きな映画を見たり、本を読んだり、音楽を聴いたりしてだらだらとすごしていた。毎日そんな生活を続けているうちに、私は次第に自分の生活に疑問を感じるようになった。私は卒業するまでこんなだらだらとした退屈な生活を続けるのだろうか。私も何か自分を高めてくれるような、何か有益なことを始めるべきではないのだろうか。でなければ、せっかくの四年間の大学生活が無駄になってしまう。いろいろと考えた末に、私もクラブかサークル活動を始めることにした。その時になってはじめて私は大学になぜそんなにたくさんのクラブやサークルが存在するのか理解できたような気がした。おそらく多くの学生はただ大学で講義を受けるだけの生活では飽き足らず、クラブやサークルに入って、他の学生と交流して、友人を作り、楽しい時間を過ごすことを求めているのだろう。
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